フリーランスの健康診断、みんなはどうしてるんだろう?
会社員時代には当たり前だった健康診断。
フリーランスになると、
「誰が費用を出すの?」「どこで受ければいいの?」「そもそも必要なの?」
そんな疑問や不安を抱える人も少なくありません。
実際、フリーランスの約6割が健康診断を受けていないという調査結果もあります。
しかし、「忙しいから」「高いから」と後回しにしているうちに、受けないことが“損”になる可能性もあるのです。
でも、安心してください。
フリーランスの健康診断には、自治体の助成制度や1,000円以下で受けられる方法など、
意外と知られていない“賢い選択肢”がたくさんあります。
この記事では、
・健康診断の費用相場と補助制度
・フリーランスが健康診断を安く受ける方法
・経費や医療費控除のリアル
・そもそもなぜ受けるべきなのか?
フリーランスの健康診断にまつわる疑問を、まるごと解決します。
健康は、フリーランスにとって何よりも大切な「資本」。
あなたも今日から「損」せず、未来の自分に“投資”する選択を始めましょう。
フリーランスの健康診断事情|なぜ多くの人が受けていないのか?

フリーランスは会社員と異なり、法律上、定期健康診断の受診が義務づけられていません。
そのため「受けなくても誰にも怒られない」環境が生まれ、つい後回しになりがちです。
「健康が心配」と思いつつも、なかなか行動に移せないフリーランスの方は少なくありません。
実際、「フリーランスの約6割が健康診断を受けていない」という調査結果があります。
特に4〜6年目の中堅層での受診率はわずか31.6%と最も低くなっています(毎日新聞・PR TIMES調査より)。
その背景にはいくつかの理由があります。
フリーランスが健康診断を受けにくい理由
費用負担への不安
会社員のように企業負担がないため、「健康診断は高い」というイメージから受診をためらってしまうケースが多いです。
情報不足
どこで、どんな種類の健康診断を受ければいいのか。助成制度があるかどうか。
などの情報が分かりづらく調べるのが面倒に感じられます。
時間の確保が難しい
仕事のスケジュールが流動的で、まとまった時間を取りにくいというフリーランス特有の事情も影響しています。
「今は元気だから大丈夫」という過信
目立った症状がないと、「わざわざ行かなくてもいい」と判断してしまうことがあります。
フリーランスが健康診断を受けるべき理由
健康診断は、単に病気を見つけるだけではありません。
フリーランスにとって、健康診断は「未来を守る」「損をしない」ためにも、必要なものなんです。
① 健康は「働く資本」だから
フリーランスにとって健康は、自らの収入を支える“最大の資本”です。
もし体調を崩して長期休業すれば、収入がゼロになる可能性もあります。
社会保険や傷病手当などの保障が薄いフリーランスだからこそ、早期発見・早期対応は欠かせません。
② 将来の医療費を抑えられるから
病気は、軽症のうちに発見できれば、治療期間も短く、費用も安く済みます。
逆に放置して重症化すれば、高額な医療費や長期的な通院が必要になり、経済的負担が大きくなります。
実際に厚生労働省の調査(熊本県A町の国保データ)では、定期的に健康診断を受けている人のほうが医療費が抑えられるという結果が出ています。
③ パフォーマンス維持にもつながるから
自覚症状がなくても、検査を通じて生活習慣の乱れや不調のサインが見つかることがあります。
健康状態を可視化し、生活を見直すことで、集中力や仕事の質を高く保ちやすくなります。
“健康な心と体”を維持することは、フリーランスとして安定的に働き続けるための大前提です。
フリーランスの健康診断は経費で落ちる?医療費控除との違いも解説

結論から言うと、自分のための健康診断費用は原則として経費にはなりません。
なぜなら、健康診断は「健康維持」が目的とされ、事業の直接的な経費とはみなされないからです。
ただし、まったく税金と無関係というわけではありません。
条件を満たせば、「医療費控除」の対象になる可能性があります。
医療費控除の対象になるケース
-
健康診断で病気が見つかり、その後の治療につながった場合
診断が「治療の一環」と見なされ、健診費用も控除対象となる可能性があります。 -
自覚症状があり、医師の判断で検査を受けた場合
健康診断が予防ではなく「治療目的」と認められることが前提です。
ただし、一般的な「年に一度の健診」や「人間ドック」のような予防目的の健康診断は、経費にも医療費控除にも該当しません。
費用は基本的に、自費でまかなう必要があるというのが原則です。
ワンポイント
税務上の扱いに迷ったときは、事前に税理士や税務署に相談するのが安心です。
「経費になるかも?」という自己判断で計上すると、後から否認されるリスクもあるため注意しましょう。
健康診断にかかる費用と安く受ける方法まとめ

実はフリーランスでも、条件次第では1,000円以下で受けられる方法があります。中には無料で受けられるケースも。以下で詳しく解説します。
健康診断・人間ドックの費用相場は?
健康診断専門のクリニックや総合病院で個人でも申し込む場合の料金の目安はこちら。
検査の種類 | 一般的な費用相場 |
---|---|
健康診断 | 約5,000〜15,000円程度 |
人間ドック | 約30,000〜100,000円以上 |
自由診療のため、医療機関・検査内容によって価格は大きく異なります。
「費用が高いから…」と後回しにしてしまう方も多いのが実情ですが、制度を活用すれば大幅に抑えることが可能です。
自治体の助成制度を活用すれば1,000円以下も可能!
フリーランスにとって最も身近で有効なのが、市区町村が実施している健康診断の助成制度です。
①特定健康診査(特定健診)
対象者:国民健康保険に加入している40歳以上の方
費用:数百円〜1,000円程度と非常に安価
・生活習慣病の早期発見・予防を目的とした検診
・多くの自治体で「受診券」が郵送される仕組みあり
・自治体によっては、30代向けの一般健診を実施している場合もあり
検索ヒント「◯◯市 特定健診」や「◯◯市 健康診断 30代」など
会社員の定期健康診断との違いは?
比較項目 | 特定健診 | 会社員の定期健診 |
---|---|---|
主な対象 | 国保加入の40〜74歳 | 健保加入の全従業員 |
検査の主目的 | 生活習慣病の早期発見・予防 | 労働安全衛生法に基づく健康状態の確認 |
胸部X線検査 | 含まれない自治体が多い(別途がん検診で実施) | 原則として含まれる |
心電図・視力・聴力 | 通常含まれない | 原則として含まれる |
胸部レントゲンや心電図などが必要なら、自治体のがん検診や自費健診を併用するのがベストです。
②がん検診やレディース健診
対象者:年齢により異なる(多くは20代〜30代以降が対象)
内容:乳がん、子宮頸がん、胃がんなどの部位別検診
・一部自治体では20〜30代の若年層にも助成あり
・特に女性対象の「レディース健診」が充実している自治体が多い
検索ヒント「◯◯市 がん検診 助成」「◯◯市 レディース健診」など
③国民健康保険組合の人間ドック補助
対象者:特定業種の国保組合に加入しているフリーランス・自営業者など
・2万円以上の補助が出るケースもあり
・人間ドックを自己負担で受ける前に、所属している組合の制度を必ずチェック
・補助金申請に「領収書」などが必要な場合もあるので、事前確認を忘れずに
検索ヒント「◯◯区 人間ドック 補助」「◯◯市 健康診断 助成」など
健康診断だけで安心?気になる症状の受診も忘れずに

体の不調を放置していませんか?
-
なんとなく体調がすぐれない
-
定期的に続く頭痛、吐き気、動悸
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生理不順、腹部の張りや痛み(婦人科系)
こうした症状があっても、「たいしたことはない」と自己判断してしまい、受診を後回しにしている方は少なくないはずです。
健康診断ももちろん大切ですが、体に“気になるサイン”があるときは、健康診断よりも医療機関での診察が優先です。
「自分は大丈夫」と思い込みたかった私の経験
私自身、体の不調をつい放置しがちなタイプでした。
けれどあるとき、婦人科の定期検診の際に「ちょっと気になることがあって…」となんとなく相談したところ、丁寧に診ていただき、初期の異常が発見されました。
正直、「まさか自分が…」と驚きました。
でも、早期で発見できたことには、本当にホッとしたのを覚えています。
だからこそ、みなさんに伝えたいのです。
少しでも「気になるかも」と思ったら、その“直感”を見過ごさないでください。
病院に行くのは、たしかに面倒かもしれません。
でも、何かあってからでは遅いこともあります。
まとめ|フリーランスが健康診断を身近にするためにできること

フリーランスにとって、健康は「安心して仕事を続けるために欠かせないもの」です。
それにもかかわらず、健康診断の受診率は低く、つい後回しにされがちなのが現実。
でも、「いつかやろう」では、いつまでも始まりません。
今すぐできる行動リスト
・お住まいの自治体のホームページをチェック
→ 「特定健診」「健康診断 助成」を検索してみる
・ご自身が加入している国民健康保険組合の制度を確認
→ 人間ドック補助などが用意されているケースも
小さな一歩かもしれませんが、
その行動が“未来の自分”を守るきっかけになるはずです。
時間がない、面倒、お金がかかる——
そんな理由で放置してしまうと、結果的にもっと大きな後悔を生むかもしれません。
この機会にぜひ一度、自分の健康とちゃんと向き合ってみませんか?